シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
薄っぺらいスクリーン内部に"何か"が居るなんて、常識的に絶対ありえない。
しかし非常識に増え続けるスクリーンならば。
怪異の謎が、解けるか?
だから、自衛の術を持てる久遠を、直接的に乱すことが出来るというのか!!?
また人影は駆け抜ける。
何なんだよ、これは!!!
俺は――
その人影を追いかけるように、スクリーンを切り裂いていった。
破れたスクリーンには、人影は映らない。
ならば。
進路と退路を断つように…
先回りして、数多あるスクリーンを潰していく。
増え続けるものなれど、裂く速度を上げれば…いずれかは終焉がある。
いずれかは、追い詰められる。
裂く。
1つの場所に誘導するように、切り裂いていく。
風を切るように走り、俺は切り裂く。
そして。
俺の早さが…人影の早さに追いついて。
影を映し出す裂いた"部分"が…俺の剣先に触れたんだ。
――!!!?
剣を通して感じた感触は――
生身の肉体の感触。
そう、感触は確かに何かの手応えを感じたというのに。
目で捉えたのは…青白い光。
玲のような力の光。
そして俺は――
剣先から、確かなる"電気"を感じたんだ。
続けて剣から伝わる衝撃波。
これは感電!!?
剣ごと慌ててスクリーンから離せば、
「音が止った!!?」
久遠の声と同時に――
キーーーン。
突如…頭の内部に直接響くような…不快な高い音がした。
何だ…この音。
頭が痛くなってくる…。
今度は…俺か!!!?