シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
させないよ。
僕を魅了続けた綺麗な黒い瞳を、
絶対真紅色には染めさせない。
「芹霞…目を瞑っていてね…」
さすがに…
僕の目が抉られる様は――
芹霞にとっては衝撃的だろうから。
せめて。
せめて…最期の姿は、
綺麗な僕のままで。
「君が…本当に好きだったよ?」
視界に映る黄色の輪郭が、大きくなっていく。
「愛してるよ、永遠に…」
澱んだ黄色が――
視界を覆い尽くしていく。
「さあ!!!
来るなら来い!!!」
櫂。
悪い櫂。
「玲くん!!!?」
お前を助けに来たつもりだったのに。
お前の無事を確認出来ないまま、散る僕を許してくれ。
会いたかったな、お前に。
だけど…
お前と芹霞の寄り添う姿は、僕には…辛いから。
きっとこれが…ベストな僕の選択。