シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
・再会 櫂Side
櫂Side
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何の為に――
どうして此の地に居るのか。
そして今、
どうして俺の前に現われたのか。
敵とみなせばいいのか。
味方とみなせばいいのか。
全てが謎に包まれていて。
此の地で共通する過去だけが"繋がり"だと思えば、信頼の拠り所にするにはあまりにも弱すぎたんだ。
少なくとも、好意的な視線ではない。
かといって殺気があるものでもなく。
未知数だと…桜と煌が恐れた割には、人型として安定し…無害だと言い切れる程には、神聖さはまるでない。
全ては俺の出方次第と言うことか。
恐らく――
俺に呈示されている選択肢は2つ。
戦わずして"約束の地(カナン)"を更なる危険に巻き込か。
戦って"約束の地(カナン)"を更なる危険に巻き込むか。
俺の動き一つで、危険の様相が変わるというのなら。
少しでも…
此の地で戦いたくはない。
此の地をこれ以上、血で穢したくない。
「何を…伝えたい…?」
まだ喉奥がひりついて、掠れて出てくる声。
ようやく戻った声は、芹霞や玲と再会に喜ぶ声ではなく。
それが苦笑を誘うけれど。
「その姿で…」
俺は、目の前の男に言った。
ボロボロの…
黄色い外套を羽織った…
仮面の男に。
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何の為に――
どうして此の地に居るのか。
そして今、
どうして俺の前に現われたのか。
敵とみなせばいいのか。
味方とみなせばいいのか。
全てが謎に包まれていて。
此の地で共通する過去だけが"繋がり"だと思えば、信頼の拠り所にするにはあまりにも弱すぎたんだ。
少なくとも、好意的な視線ではない。
かといって殺気があるものでもなく。
未知数だと…桜と煌が恐れた割には、人型として安定し…無害だと言い切れる程には、神聖さはまるでない。
全ては俺の出方次第と言うことか。
恐らく――
俺に呈示されている選択肢は2つ。
戦わずして"約束の地(カナン)"を更なる危険に巻き込か。
戦って"約束の地(カナン)"を更なる危険に巻き込むか。
俺の動き一つで、危険の様相が変わるというのなら。
少しでも…
此の地で戦いたくはない。
此の地をこれ以上、血で穢したくない。
「何を…伝えたい…?」
まだ喉奥がひりついて、掠れて出てくる声。
ようやく戻った声は、芹霞や玲と再会に喜ぶ声ではなく。
それが苦笑を誘うけれど。
「その姿で…」
俺は、目の前の男に言った。
ボロボロの…
黄色い外套を羽織った…
仮面の男に。