シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
背筋に冷たいモノが走った。
何だ…今の声は。
高く低く男でもあり女でもある。
それは榊の声でもあり、別人のような声。
ぶれにぶれて、誰だと特定できない不可解な声。
そして、まるで喘息のような…ひゅうひゅうと音がして。
呼吸の音?
何なんだ?
榊だよな!!?
そして俺は見たんだ。
頭部を覆っていた黄色い布から覗いたモノ。
男の喉元に――
人工的な小さな機械がつけられているのを。
発声器…?
だから俺は――
「!!!!?」
力一杯――
仮面を半分引き剥がした。
ぶちぶちぶち。
それは凡そ、仮面を剥がすとは言えない理解しがたい音を放ち。
その事実に驚嘆している俺は、思わず動きを止めた。
「何だこれは!!!?」