シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

――その時だった。



「……せり。オレの後にいろ」



突如――

久遠が剣呑な空気を放つ。


がらりと空気が変わった。


「ど、どどど…

どうしたの久遠!!!?」



「開け放たれたヘリの中に…

誰か居る…」



此処からでは、あたしは何も見えない。



「迷い込んだわけではないな。


明らかに――

意図を持って、動かしている。


ヘリの中の機械を…」



え?



「聞こえてくる…この旋律」


久遠は目を細めながら、音に聞き入った。


あたしも同様に耳を澄ませてみれば…



「「Zodiac!!?」」



正しく――

S.S.Aにて何度も繰り返し聞いたあの曲に相違なく。


久遠があの曲を知っているのは意外だったけれど。

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