俺様専務とあたしの関係
乱れた呼吸を整えながら、あたしたちは抱きしめ合う。
「あたしね、必死で隠そうとしていたの。自分の気持ちを…」
「分かってたよ。だからオレは引き止めた」
「え…?」
分かってた…?
「本当言うと、すべてにケリをつけてから、美月に伝えるつもりだったんだけど…」
ゆっくりと起き上がり、ベッドに座る章人に向かい合う様に、あたしも座る。
そして、章人はそっとシーツをかけてくれながら、言ったのだった。
「好きだ、美月」
「え?好き…?あたしを…?」
どこかで望んでいたその言葉。
だけど、現実に言われると実感が沸かない。
「もう、寂しいなんて思うなよ。オレが、いつだって側にいるから」
「章人…」
優しく抱きしめられながら、溢れる想いを口にした。
「あたしも、いつの間にか章人を好きになっていたの。認めたくなかったのに…」
思わず涙をこぼすあたしの額に、章人は優しいキスをする。
「認めろよ。もう安心していいんだ。オレは、お前が思っている以上に好きだから」
「うん…」
どうして分かるのよ。
あたしが不安に思っている事を、どうして分かるの…?
「付き合おうオレたち。オレは、美月の側にいたい」
「うん…」
ただ頷くしか出来ないあたしは、なんて子供ぽいんだろう。
だけど、そんなあたしも受け入れてくれる。
それだけで、すごく幸せ…。