俺様専務とあたしの関係
専務室は、開放感溢れる部屋になっていて、ドアを開けると正面には、あたしの2.5倍はありそうな木目調のデスクがあった。
その後ろには、高さ2メートルはありそうな総ガラスの窓があり、部屋いっぱいに陽の光を入れていた。
さらに、左右にはガラス扉付きの本棚があり、すでに分厚い本が並べられている。
あたしには、まったく理解できそうにないわ…。
思わず部屋を見渡していると、専務が目の前に立っている事に気付いた。
「あ、あの…!。何か?」
なんでこんな目の前にいるのよ。
ビックリして、思わず右足を引いてしまったじゃない。
「そんなに驚くなよ。お前がボーッとしてるからだろ?」
「だからって、こんな至近距離に来ないでください!」
「お前なぁ。今日から、オレはお前の直属の上司なの。もう少し、謙虚な言い方出来ないのかよ」
何よ、その言い方は!?
噂通りの俺様だわ。
イラッとするものの、ここはそれを飲み込んだ。
でも、つい睨んでしまう。
「ったく。一条のやつ、本当に推薦したのかよ」
専務は、呆れ気味にひじ掛け付きの皮張り椅子に深く座ると、わざとらしくボヤいた。
「え?絢がどうしたんですか?」
あたしはその場から動かず、視線だけを向ける。
すると、ため息混じりにこう言われたのだった。
「オレの秘書にお前を推薦したのは、一条なんだよ」