俺様専務とあたしの関係
新たな真実
「絢、本当にありがとう。あの夜、社長と章人に話してくれたんでしょ?」
やっと直接会うことが出来て、あたしは遅いお礼をした。
今日は久しぶりの役員会議。
あたしは絢に会う為に、社長秘書室へとやって来たのだった。
「いいわよ、そんな事は。私は知っていたから、美月を助けて欲しいと頼んだだけ」
涼しい顔で、あたしに笑顔を向けた。
「あたしね、最初は絢と何かあるんじゃないかって思ったりもしたの」
「ええ?やめてよ」
絢は顔をしかめて、わざとらしく言った。
「だって、唯一、絢にだけは心を開いてるぽかったから」
「それは、私が蒼衣さんの話を聞いていたからよ」
「そうなんだ…。よき相談相手って事だったのね」
そう言うと、絢は頷いた。
「そういえば、蒼衣さんの事はちゃんと話し合えた?それだけが気がかりなんだけど」
「う~ん。話し合えたってほどではないかも。ただ、今度ある結婚式には一緒に行って欲しいとは言われたんだけど…」
正直、緊張するな。
蒼衣さんに会う事もだけど、章人の反応を見る事にも緊張する。
「結婚式に?そうなんだ…。でも、そう言われたなら、きっと専務も前向きになれているのかもね」
「うん…」
そうならいいな…。
ずっとトラウマだった章人の家庭の問題も解決出来たし、これで何の悩みもなく章人と付き合えるかな…。
だと、いいんだけど…。