俺様専務とあたしの関係
絢は、あたしに少し眉間にシワを寄せた顔を向けている。
「あたしね、まだ強くなれないみたい。どこかで怖いの。章人の気持ちを、信じていないわけじゃない。信じられないのは、あたし自身…」
「美月…。だけど、仕事で毎日顔を合わせるじゃない?どうするの?」
「それは、もう考えてあるから。あたし、もう一度いろいろな事をやり直してみる」
弱々しい笑顔を見せると、絢は何かを言いかけそうになって止めた。
「ガキくさいあたしの事なんて、章人はすぐに忘れちゃうわよ」
気を取り直して、片付けを再開させる。
と言っても、ここにも長くはいないだろうけれど…。
なぜなら、あたしはある決心をしたから。
それは、絢にも内緒。