俺様専務とあたしの関係


はぁ!?


何よその言い方は。


「ほら、その目。上司に睨みきかせてどうするんだよ」


あたしに視線を戻した専務も、睨みをきかせている。


だったら、今すぐ辞めさせてください!


その言葉が、今にも出そうになった瞬間、


「面白いな、お前」


なぜか専務がフッと笑ったのだった。


「えっ!?」


怒ってたんじゃないの?


いきなり微笑まれてドギマギする。


やっぱり分からない…。


この人って。


すると専務は立ち上がり、拍子抜けしたあたしの眉間を指で軽くつついたのだった。


「シワになってるぞ。笑えよ美月。今日からずっと一緒なんだからさ」


「ちょ、ちょっとやめてください!」


つつかれた部分を手で押さえ、顔が熱くなるのを感じる。


馴れ馴れしく触らないでよ。


それに、“美月”とか彼氏じゃないんだから、呼び捨てにしないで。


心で必死に思っても、あたしの心臓は正直で、ドキドキ鼓動を打っている。


それも痛いくらいに…。




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