俺様専務とあたしの関係


貰った手帳には、今年のレフィルが入っていて、本当に初めて手に取ったのはあたしだと分かった。


だって、紙と紙がひっついていて、気をつけてめくらないと破れそうだったから。


もったいないなと思いつつ、こわごわと書いていると、専務が言ったのだった。


「来年もレフィルやるから。気にせず書け」


って…。


来年も、当たり前の様に秘書をしているみたいに言うけれど、さっきブツブツぼやいてたじゃない。


なんて、心の中で突っ込んでしまった。


人の気持ちを振り回すのが上手なんだから。


おかけで朝から、あたしの頭は専務の事だらけだわ。


「それにしても、過密スケジュールなんですね?」


予定表があっという間に埋まり、特に重要な用事を赤文字にすると、途端に一ページが真っ赤になってしまった。


「だろ?専務ってのは、意外と現地に出向く仕事が多いんだよ」


ふ~ん…。


それをやりこなすなんて、こんな感じでも、やっぱり凄い人なんだわ。


「よし!じゃあ、今から社長に挨拶に行くか」


勢いよく手帳を閉じると、専務は立ち上がった。


「社長にですか!?」


「そうだよ。ほら、美月も行くぞ」




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