俺様専務とあたしの関係


「ああ、あれか。蒼衣が二人目を妊娠したんだってさ」


「ええ~!?二人目をもう!?」


だって、蒼衣さんの出産も少し前の話じゃない。


「あいつ、前から子供はたくさん欲しいとか言ってたから、年子で作るんじゃないか?」


「すご~い…」


感心するあたしには興味がないらしく、章人はオムツ替えを終えて満足そうな顔をしていた。


「たぶん、こいつ寝るよ?眠そうだもん」


子供の頬を突きながら、章人は言った。


「じゃあ、そのまま寝かせて?あたしは、料理をするから」


改めて料理を続けながら、蒼衣さんのオメデタ話にドキドキしてしまう。


すごいなぁ。


いいなぁ。


二人目とか、まだ考えられないけど、あたしもいつか欲しいかも…。


と、しばらく考えていた時。


「美月、少しイチャつこうぜ?」


章人が後ろから抱きしめてきた。


「えっ!?突然、どうしたのよ!」



「子供、寝たからさ。起きるまでは、二人きりの時間だ」


そう言うと、章人はコンロの火を止め、あたしの首筋にキスをする。


「いや…。ちょっと、やめてよ」


体が跳ねる感覚を覚えて、あたしは思わずお玉を落とした。


「起きるだろ?」


「だって、章人がいきなりこんな事をするから…」


「最近ご無沙汰じゃん。オレ、もう限界」


あたしの顔を振り向かせると、強引にキスをする。


「もう…。しょうがないなぁ」


このキスは、昔からあたしの弱点。


どんな抵抗も忘れてしまう、魔法みたいなキスだから…。




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