俺様専務とあたしの関係
章人があたしの体を抱きしめると同じタイミングで、あたしも章人の首に手を回す。
絡め合う舌に、乱れる呼吸。
少しずつ体を這う様に動く章人の手つきに、あたしの口からは甘い声が自然と漏れた。
「何だよ。美月だってノリノリじゃん」
「あたしも、少し刺激されたのかも…」
ちょっと恥ずかしい気持ちで見上げると、章人はキョトンとした顔をしている。
「刺激?」
「そう。刺激。蒼衣さんのオメデタの話。羨ましいなぁって思ったから」
すると、章人はニヤッとした笑いを浮かべる。
「な~んだ。そういう事か」
そう言うと、突然あたしを抱き抱えたのだった。
「あ、章人!?」
「ベッドに行こう。叶えてやるって、美月の願い事は何でも」
ええ~!?
「ちょっと、本気にしないでよ!言ってみたかっただけだから」
「嘘つけよ。顔と体は本気だって言ってるぞ?」
からかう様に言われ、気が付けばあたしはベッドの上にいた。
「美月、最近ちょっと寂しかったよ」
唇から首筋、そして体へとキスをしながら、章人は言った。
「さ、寂しいって何を?」
あたしはもう、ほとんどまともに考えられず、口だけ章人に答えるだけ。
「だってお前、子育てにかまけてばかりじゃん。寂しいって」
今まで見せた事のない子供ぽい姿に、あたしは愛おしさが募った。
「じゃあ、二人目なんてますますダメじゃない」