俺様専務とあたしの関係
何が最悪って…。
いつの間にか目を閉じて、専務のキスに応えている事。
なぜなら、こんな力強い強引なキスは、生まれて初めて経験をしたから。
今までのキスが、どれほど子供ぽかったか…。
それを今、あたしは気付いてしまった。
こんな風に、専務の周りにいる女の子たちは堕ちていくんだろうな。
見せかけの“愛情”に。
それは、まるで魔法の様で、覚めるまでは幸せなんだと思う。
だからみんな、覚めたくないはず…。
でも、あたしは魔法にかかりたくはなかった。
例え一時でも、失うと分かる幸せなんて感じたくもないから。
だったら最初から、幸せを知らない方がいい。
そう思うのに、その夜のキスは深くあたしに刻み込まれ、次の日の出勤は志帆さんに施してもらったヘアメイクのスタイルで行った。
その事に専務は、喜んだ表情を見せ、またあたしを抱き寄せキスをしたのだった。
あたし今、一番の遊び相手になっているんだ…。
きっと。