俺様専務とあたしの関係
ん…?キスをした…?
違う!違う!
「したんじゃなくて、されたんだってば!」
お茶くみをしながら、つい心の中の叫びが声に出てしまい、お偉いさん方の視線が一斉にあたしに向く。
しまった~!
やっちゃった。
専務は誰より呆れた目であたしを見て、社長は呆気に取れたすぐ後に、声を上げて笑ったのだった。
「アッハッハッ!佐倉さんは面白いな!どうした?何か腹が立つ事でもあったか?」
「い、いえ…。すいません…」
もう~。バカ~!
他のお偉いさん方もクスクス笑い、小さな声で、「専務、面白い秘書さんと一緒で楽しいでしょ?」と言っているのが聞こえた。
ヤバイよ~。
絶対に後で怒られちゃう。
あたしは頭を下げると、逃げるように会議室を出たのだった。