俺様専務とあたしの関係
「へぇ~。その割には車でキスした時、うっとりしてたじゃねえか」
「ち、違いますよ!」
もう~!
何なのよ、この人は。
「とにかく、手を離してください!」
「嫌だね」
まるで駄々っ子の様言うと、専務はあたしを引き寄せた。
「ちょっと…。何をしようとしてるんですか?」
「ん?この間の続き」
「続き!?」
思わず身構えると、専務は呆れた様にため息をついた。
「お前、ガキじゃないんだから、いちいち大袈裟に反応するなよ」
「仕方ないじゃないですか…。あたし、経験が少ないんですから…」
だから、こういう派手な人は嫌いなのよ。
そっちには当たり前の事でも、こっちには慣れていない事だってあるんだから。
「オレだって仕方ないんだよ」
「は?」
何が“仕方ない”よ。
いちいち、自分勝手な事ばかり言ってくるからイヤになる。
「仕方ないだろ?オレはこの一週間ずっと、また美月とキスしたいと思ってたんだから」
「え…?」
顔が赤くなるのを感じながら、戸惑う表情で専務を見た瞬間、
あたしたちの唇は、またも重なったのだった。