俺様専務とあたしの関係
「せ、専務!?何をしているんですか!?」
今になり、専務に背中を向けた事を後悔する。
油断したわ。
すっかり、夜景に気を取られてしまっていた。
必死で抵抗をし、何とか離れようとするあたしに、専務はさらに力を強めて抱きしめてきたのだった。
「ありがとな」
「え…?」
思わぬ言葉に、抵抗する手が止まる。
「美月、オレを頼ってくれてありがとう…」
「専務…」
ありがとうって、さっきの事をまだ言っているの?
「マジで嬉しかったんだよ。頼ってくれて…」
「そんな…。お礼を言うのは、あたしの方です。ありがとうございました…」
それは本当の気持ち。
あんなに心細かったのに、その気持ちはすっかりどこかへ飛んでしまっていた。
「美月が側にいると、つい我慢が出来なくなるんだよな」
「あ…!」
強引にあたしを振り向かせると、専務はキスをした。
「お前の事を、もっと知りたい…」
そして、さらにキスは深くなっていく。
ダメ…。
このキスは、あたしの思考回路をストップさせるんだから。
早く…、早く離れなきゃ。
そう思った時、あたしの胸に専務の手が伸びてきたのだった。
「せ、専務…!」
ヤバイ…。
このままじゃ、最後までいってしまう。