俺様専務とあたしの関係


「美月の胸って、意外と大きいんだな」


「な、何を言っているんですか!?それ以上は止めてください」


漏れそうになる甘い声を抑えて、あたしは必死に言う。


それでも、専務の手は止まらなかった。


「い、いや…。やめてください…」


お互いの呼吸は荒くなり、あたしはその場に立っているのもやっとだ。


そしてそんなあたしを、専務は軽く抱き上げたのだった。


「いやっ!降ろしてください!」


少し我に返ったのもつかの間、また唇を塞がれ、気が付いた時にはベッドへ下ろされていた。


大きさから見て、セミダブルのベッドだろうか。


専務の甘い香りが、シーツの上からも匂ってくる。


どうやらここは寝室らしく、見える限りではクローゼットとサイドテーブルしかない。


「専務…、やめてください…」


だんだんとキスは、唇から首筋へと移ってきた。


あたし、このまま専務と…。


嫌よ。


そんなのは嫌。


あたし、そんな軽く扱われるの?


結局、遊ぶ女の一人になっちゃうの?


やめてよ…。


やめて…。


あたしは、心から愛されたいの。


愛のあるセックスがしたいのに…。


こんな、ムードと気分に乗せられただけのセックスなんて嫌よ。


だけど、専務はあたしの意志なんてお構いなしに、ジャケットとシャツを脱いだのだった。


「専務…」


「美月…」


ドキッとするくらい、たくましい胸があたしを抱きしめる。


服がないだけで、こんなに違うのかと思うくらい、体の温もりが伝わってきた。




< 65 / 194 >

この作品をシェア

pagetop