俺様専務とあたしの関係
“コト”が終われば、さっさと眠ってしまうんでしょ?
どこか冷めた想いで専務に抱かれていたのは、後で傷つきたくないから。
物事を、良い方に考えられなくなったのは、いつからだったっけ…。
“やっぱり”と思いたくなくて、最初から期待しないでいる。
だけど本当は、期待したい事の裏返しで、その思いが強いほど、余計に悪い方へと考えるのだった。
きっと、夢から覚めれば専務は冷たい。
こんな擬似恋愛みたいな関係は、あっという間に終わるのよ…。
そう言い聞かせていたのに、体が離れてからも、専務はあたしを抱きしめたのだった。
お互い乱れた呼吸を整えながら…。
「美月、オレは謝らないから」
あたしの隣で横になり、専務はまだ少し荒い息遣いのままそう言った。
「え?謝らないって…?」
「お前を抱いたこと。オレは美月を抱きたかった。だから、謝らないよ」
そんな風に言われて、あたしは言葉が出ない。
もちろん、謝って欲しくはないけど…。
専務の気持ちが、本当分からないわ。
「あの、専務…」
「おい、前にも言ったろ?業務時間外に、オレを専務と呼ぶなって」