俺様専務とあたしの関係
ったく!
毎日こんなんじゃ、身が持たないわ。
秘書室へ着くと、さっそく資料の仕分けと、メールのチェックをする。
その間、専務も自室で仕事をするのだった。
この空間が唯一、一人きりになれる場所なのね…。
早いとこ鍵を直してもらって、アパートに帰らなくちゃ。
ゆうべは、流れるままに専務と過ごしたけれど、さすがに続くのはヤバイ気がする。
専務の事情を知りたいとも思ったけれど、それはやめておこう。
深入りは避けなきゃ。
と、そんな事を考えていた時だった。
秘書室のドアをノックする音が聞こえた。
「はい!」
あれ?
こんな朝早くからのアポなんて、ないはずだけど…。
不審に思いつつドアを開けると、
「おはよう美月」
「絢!…それに社長!?」
ご機嫌な笑顔で立つ二人に、あたしは思わず声を上げた。
「佐倉さん、すまないね突然。章人はいるかな?」
「あ、はい!いらっしゃいます」
の返事とほぼ同時に、やり取りが聞こえた様で専務が出てきたのだった。
「オヤジ。来るの早かったな」
「え?」
何?社長って来られる予定だったの?
だったら、教えてくれたらいいのに~!
そう思っていたところへ、社長があたしに話しかけてきた。
「そうそう、佐倉さん大変だったな昨日は。しばらく章人の家で過ごすんだろう?」