俺様専務とあたしの関係
ええ!?
何で、社長が知ってるのよ!!
「あ、あの…。それは…」
しどろもどろなあたしに、専務は助け舟を出してきた。
「そうだよ。さっき話した通り。こいつのアパートの解約も済んだし、しばらく居候させようと思って」
はあ!?
ちっとも、フォローになっていない助け舟じゃないよ!
それに、解約って何!?
呆気に取られるあたしと、何の疑問も持たず頷く社長。
そこは、止めるところじゃないんですか~!
「それがいいな。女性の一人暮らしは物騒だ。次に住む場所は、ゆっくり探せばいい」
「は、はい…」
と、社長の手前だから返事をしたけれど、専務の側が一番物騒なんですけど。
黙ったままの絢は、気の毒そうな顔で見ている。
「今夜の接待は、あまり堅苦しくなる必要はないから。私も一条も出席するから、佐倉さんも楽しみなさい」
「はい。ありがとうございます」
それにしても、社長は何しに来たのかしら。
「だけど安心したよ。佐倉さんがいつも通り元気で。いや、いつも以上に今朝はキレイな気がするな」
上機嫌な高笑いと共に、“顔を見たかっただけだから”と言い、苦笑いを浮かべてあたしを見る絢をつれて、社長は出て行った。
一体、なんだったのよ。
呆然と立ち尽くすあたしの腕を専務は引っ張っり、
「オヤジたち、今から出るからその前に寄ったんだよ」
そう言って、強引に専務室へ連れて行った。