俺様専務とあたしの関係
「結婚式ですか?さあ…。何も言われてませんけど…」
そういえば、どうするんだろう。
まさか、行くつもりなのかな…?
和久社長に改めて聞かれると、それが無性に気になり始めた。
「たぶん、蒼衣さんと連絡取るだろうし…」
「えっ!?蒼衣さんと!?」
思わず食いつくあたし。
別れた恋人と、まだ連絡が取れる状態にある事に驚いてしまった。
「うん。連絡先はまだ知ってるはずだから。どうするのかなぁ。複雑だろうなぁ」
そんな…。
「それでも、専務は行かれるんですかね?」
「う~ん。でもさ、蒼衣さんを忘れられないなら、いっそ結婚式に行って、吹っ切れた方がいい気もするよなぁ」
まるで独り言の様に呟く和久社長を、あたしはジッと見つめた。
「そんなに、専務は蒼衣さんを忘れられないんですか?」
「うん、もちろん。何せ、彼女にプロポーズまでしてたんだから」
プロポーズ!?
あの専務が、プロポーズをするなんて…。
「それなのに、何で別れたんですか?」
動揺する気持ちを隠しながら、聞かずにはいられなかった。
あたしから見れば、女性には軽そうな印象しかなかったのに、それくらい真剣に好きだった人がいたのには衝撃的だった。
「蒼衣さんの浮気。まあ、ライバル会社の御曹司に寝取られたってわけ」