Dead line−死線−
「ただいまぁ」
「って…だれもいないか…。」
楓が一人自宅に帰宅した…
テーブルの上には
夜ご飯
と書いた置き手紙の横に焼きそばが置いてあった…
「今日は焼きそば…か…」
と独り言を吐きながら冷えた焼きそばをレンジにぶっこんだ
1分でセットされた電子レンジが
事務的に動き出す
ピッピッ
となると
楓は焼きそばを取り出す
ラップを外し
生ぬるい焼きそばをほおばる
独りでの食事は
いつもの事である
楓は
母親と二人暮らしで
家賃約7万の2LDKに住んでいる
決してキレイとはいえない
アパートだ…
最近母は、楓の私立学校の高い授業料を払うために
四六時中働いているが、普段は夜働いている
だから楓は
母親と会話の記憶があまりない
父親は生まれた時からいない。しかも父親は楓が母親のお腹に宿った時
逃げるようにして
去って行ったらしい
だからもちろん父親というものも知らない
でも
母は結婚しようとしなかった
息子に余計な気をつかわせたくなかったのだろう
友達からバカにされることもしばしばあった
それでも
決して不幸ではないと楓は思っている
焼きそばを食べ終わり
食器を洗い
風呂に入った
風呂から上がり布団に入っていると
いつの間にか眠っていた…