『短編』しあわせの条件
『好きだからですよ!』
平木くんの告白が頭から離れない。
だめよ。
ときめいちゃ、だめ。
一時の感情に流されちゃだめなのよ、結婚は。
結婚相手は恋だの愛だので、選んじゃだめなのよ。
結婚は生活。
そう、生活なのよ。
一生懸命パートで働いて、節約しても、余裕のある暮らしのできなかったお母さんのようにはなりたくない。
お母さんのこと、大好きだったけど、わたしはお母さんのようにはなりたくないの。