『短編』しあわせの条件
「え?」
「僕は、ずっと未知のこと、見てたから」
きゅんとした。
なんでもない風に言ったその台詞に。
だけど、わたしの目はごまかせないぞ。
平木くん。
わたしのこと、初めて名前で呼んで、照れてるな。
耳が赤いぞ。
だけど。
「健人(けんと)はストーカーか」
そう言った、わたしの頬もかなり真っ赤で。
「僕のこと、好きになっちゃったくせに。ああ、この後が楽しみだなぁ」
健人はちらりと横目でわたしを見、にやりとした。
fin