『短編』しあわせの条件












チュン…チュン…



遠くの方からすずめの鳴き声が聞こえる。



今何時くらいなのかな。



ぼんやりとした意識の中で寝返りを打つ。



ああ、布団が肌に触れて気持ちいい……






…。



……。



………肌?



………あれ?



重たいまぶたをゆっくり開けると、目の前に男性の大きな背中があった。



しかもその男性、上着を何も着ていない。



自分の目の前に広がるあまりに衝撃的な光景に、かなづちで頭をなぐられたような気分になった。



ま、まさか……。



慌てて布団の中をのぞく。



そこに広がったのは、一糸纏わぬ自分の姿だった。



< 9 / 25 >

この作品をシェア

pagetop