『短編』しあわせの条件
チュン…チュン…
遠くの方からすずめの鳴き声が聞こえる。
今何時くらいなのかな。
ぼんやりとした意識の中で寝返りを打つ。
ああ、布団が肌に触れて気持ちいい……
…。
……。
………肌?
………あれ?
重たいまぶたをゆっくり開けると、目の前に男性の大きな背中があった。
しかもその男性、上着を何も着ていない。
自分の目の前に広がるあまりに衝撃的な光景に、かなづちで頭をなぐられたような気分になった。
ま、まさか……。
慌てて布団の中をのぞく。
そこに広がったのは、一糸纏わぬ自分の姿だった。