コトバナ屋~お求めの言葉は何ですか?~
ニャア。
――それを持っていれば、
私達動物の囁きが聞こえるように
なるのよ。
・・・・誰か店に来たのか?
後ろを振り返るも、
一つしかないドアは閉じたまま、
誰かが来た様子はない。
ニャアニャア。
――何ベタなことしてるのよ。
それともあんたの耳は後ろにあるの?
・・・・これは夢か?
フィラムの鳴き声に被さるように、
女性の声がする。
呆然としながらフィラムを見ると、
ピョイとコトハの膝から飛び降りて、
こちらに近づいてきた。
ニャ、ニャニャニャ。
――コトハは花の持つ本質を
引き出すことが出来るの。
彼女に流れている、
魔女の血のおかげでね。
喋る猫の口から魔女ときた。
「コトハは・・・・魔女なのか?」