コトバナ屋~お求めの言葉は何ですか?~

そんな私の心を見透かしたように、

無邪気な笑顔に戻ったコトハちゃんは

花に込められた意味を教えてくれた。

「つまり、燃えるような想いは、

 楽しい思い出をくれた特別な存在である

 あなただけに感じていると。

 口下手な割には暑苦しいまでの求愛だね」

コトハちゃんはサラリと凄いことを

言ってのけながら、

自然な動きで私の袖をクイッと引いた。

「おにーさんは駅前の公園で

 あなたを待ってるよ。

 この形の答えを聞きたいって」

「で、でも・・・・」

駅で別れを告げた時、

酷いことを言ってしまった。

こんなに沢山想ってくれていた彼を

否定するような言葉を

投げつけてしまったのだ。

また会ってもっと酷いことを

言ってしまったら・・・・。

そう思うと足が竦む。



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