コトバナ屋~お求めの言葉は何ですか?~

十五、六歳くらいだろうか。

黒いシャツに、

ジーンズのオーバーオールを着ている、

あどけなさの残る顔をした女の子だ。

長い黒髪を赤い紐でしばり、

まるで尻尾のように背中に流している。

「・・・・さっきの黒猫?」

黒い髪から覗く緑の目と目が合い、

思わず呟く。

「ん~?一応生まれた時から人間だよ。

 ね、フィラム」

意見を求めるように横を向いた先には、

俺をここまで案内した黒猫がいた。

黒猫は肯定するようにニャァと鳴き、

顔を洗い始める。



< 7 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop