【短篇】君ともっと。
「へぇ。だろうな。」


へ??


だろうな?って…?


俺は、ア然として楠井を見る。


「だって、吉井の話、現実味ねぇもん。俺は、妄想聞いてる気分だったからな。」


楠井は、メガネを押し上げた。


その行動になんだか見透かされているような気分になった。


「妄想って…。ひどくない?俺の願望じゃんか。」


「だから、それが妄想。」


楠井は、ビシッとその現実を突き付けてくる。


「………。だってよ…。本当に、可愛いんだ。でも、…キスしようとしたら…ひっぱたかれるしぃ…。」


「気持ちは、わからんでもないが…。
俺も、あいつを前にしたら抑えられなくなるときあるしな。」


俺は、楠井が共感してくれたことに感動して楠井の手を握った。


「だよな!!そうだよな!!」


やっぱり俺だけじゃないじゃん。


「でも…。」


楠井は、俺の手を解いて言った。
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