【短篇】君ともっと。
放課後、俺は咲の学校へ向かった。


まだかなあ…。


あっ。


「咲っ!!」


咲はあからさまに嫌な顔をして速足で歩いていく。


「ちょ…待てって。…俺…咲と一緒に帰ろうと思って…。」


俺は走って咲の腕を掴んだ。


「…………。」


やっぱまだ怒ってんのか…??


「い…一緒に帰ろう?」

俺はもう一度言う。


「…うん。」


か…か…可愛い…。


咲は、速足をやめて俺の隣で歩く。


沈黙が続いていたけど、俺は本題を切り出した。

「あ…あのさ…。」


「…なに。」


「ま…前…、俺が…キ…スしようとしたことなんだけど…。」


俺は、緊張しながら言う。


また逃げられたら困るしな。


「…あれ…ごめんな。」

何も言わないから咲を見てみたら、顔を真っ赤にしてる。


「べ…別に…。ウチも…叩いてごめん…。」


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