【短篇】君ともっと。
「うん。いいよ。今日、おふくろの誕生日だろ??せっかくだし、咲も一緒にと思って。」


俺の家は、母子家庭でアパートで二人暮らし。


母親を祝うなんて恥ずかしいからな…。


「ほんまにぃ。
ありがとうなぁ。あ。プレゼントなあ、一応マグカップにしてみてん。
十馬のも買っといたしなぁ。お母さんとオソロやで。」


にこって咲は俺に笑いかける。


ああ…どれだけ可愛いんだ…。


ここでキス…なんてことしたら怒るんだろ。


くっそう。


藤には、毎日…とか言ってるけどキスすらしてねぇよ!!


「おふくろ、もうすぐ帰ってくると思うから。それまでDVDでも見てる??」


「ふぅん。」


咲は、素っ気ない返事。

はあ…。


だけど、好きなんだよなあ…


こればっかりは、どうしようもないことだ。


そう思いながら、DVDをつけた。
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