空の彼方に
強がりな君が、本当は誰よりも弱いって事。
寂しがりやで泣き虫で。
誰より私を必要としてくれていた事。
「さよなら…」
別れの言葉はどこまでも残酷で。
君の優しさに気付けないまま私は終止符を打つ。
小さな背が障子の向こうに消えていく。
もう一度鈴の音が鳴り響いた。
私は滑稽なほど卑怯で欲張りだから。
私のあげた鈴の音が聴こえなくなった瞬間、もう一度だけ君の瞳に映りたい、なんて馬鹿みたいに願ってしまったんだ。