リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・7
「アタシの心は傷ついているの!」

「へぇ。そうなんだ」

…綺麗な顔でニコニコ笑っているところを見ると、完全にアタシの意見はスルーされているな。

「なあ、こっち来いよ」

「イヤよ!」

怒っているアタシがそっぽを向くと、近くに来る気配が…。

「…俺の言うことに逆らうなんて、良い度胸だな」

そして背筋がゾッとするほどの低い声が間近で聞こえた。

背後から彼の手が伸びてきて…。

「ふぎゃっ!?」

アタシの左右の頬を、むぎゅ~っとつねってきた。

「アハハっ! 面白い顔と声!」

引き伸ばされた顔を見て、彼は大笑い。

これ以上ないぐらいの輝かしい笑顔を浮かべながら、更にむぎゅむぎゅと頬をつねってくる。

「…もうっ! 止めてってば!」

アタシは耐え切れなくなって、彼の手から離れた。

「こういう痛いイジワルはイヤなの! 止めてくれないなら…」

「止めないなら、何?」
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