リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・7
「うっ…」

いきなり真面目な顔で、真っ直ぐに見つめないでほしい。

おっ怒らせたかな?

「もしかして…別れるとか言い出さないよな?」

「そっそれは……」

真剣な彼に戸惑っていると、今度は静かに頬を両手で包まれる。

そしてそのまま引き寄せられて…。

「んっ…」

キス、される。

ただ触れるだけのキスなのに、甘くて身も心もとろけてしまう。

さっきまでイジワルされることに怒っていた気持ちも、どこか遠くに行ってしまった。

…いつもこう。

アタシが怒ると、こうやって真剣なキスをしてくる。

そうするとアタシが大人しくなるから…。

触れていた唇が離れると、またいつものように、額と額が触れる。

「俺と別れられる?」

「うううっ…」

自信たっぷりに問われると、口ごもって何も言えなくなってしまう。

―コレもいつものパターンだった。

彼にはすっかり主導権を握られてしまっている。
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