【短】執事様【完】
胸に寄り掛かっていると徐々に倒れていく私の体。
あぁ、今、私、押し倒されてるんだ。
頭がぼーっとする中、私は何処か頭の片隅で冷静にそんなことを考えていた。
「お嬢様?よろしいのですか?」
みなまで言わずとも何を聞いているのか分かってしまうこの状況の中、最近の彼はよく“よろしいのですか?”と言うようになったなと別のことを考えていた。
何も答えない私に痺れを切らしたのか、頬、首、鎖骨と彼の指先が下の方に滑ってゆく。
「....んっ。」
それだけで漏れてしまう甘く、小さい私の声。
だけど、彼がそれを聞き逃すこともなく。
「お嬢様?感じちゃいました?」
それに恥ずかしくなって顔を真っ赤に染め、横を向いても、すぐに真正面へと顔を戻されてしまう。