【短】執事様【完】
そして、また塞がれた口。
だけど、それは一瞬で離され、彼と見つめ合う形になった。
そして、途端に真剣な顔つきになる彼。
何も言わずとも分かる。彼が言いたい事。
それは一応彼の立場上確認しなければならない事。
いや、下手したら確認しても駄目な事もある。
執事とそのご主人様。
だけどさ、
仕方ないじゃない。
ー私はあなたに溺れてしまっているんだから。
だから私は言ってやった。
皮肉を込めた満面の笑みで
「...好きにして?」
と。
その瞬間、彼の顔がまたあの意地悪な顔になったのを私は見逃さなかった。
enb