隣の俺様狼くん
「え…?
でも、それだと葵さんが……」
「私は大丈夫だよ!
こういうこともあろうかと
もう1本 傘持ってるから」
私は半ば強引に押しつけるようにして
くるみちゃんに持っている傘を渡した
「ありがとうございます!
傘、お借りしますね。
では、失礼します」
「うん、またね」
何回も丁寧にお辞儀をしてから
走って帰っていくくるみちゃんを
笑顔で見送った後、
私は無意識のうちに
小さく長いため息をついていた