I



「俺に抱かれたら、きっと思い出す」


「え、?」



一歩、思わずさがってしまった。


「なん、で・・・・・」

「思い出したい?思い出したくない?
・・・・・・俺を」



悠が私を視線で捉えて離さない。


じわりと追い詰められるみたいだった。



「私が、悠に抱かれるの・・・・・・・?」


悠が奪ったリボンが、風で揺らめく。



あぁ、私はやっぱり可笑しかったんだ。



「もしかして、ゴールデンウィーク、とかに私は悠に会った・・・・・?」


「会ったよ」



あぁ、繋がった。




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