I



「っ、ふ・・・・・・・・・・」

「いいよ、志津・・・・・、志津は弱い子だから」


ぞくり、と全身を走る感触に、私は目を閉じた。



「ゆ・・・・・・・・・・っ、」


素肌で感じる、ベッドの感触が心地良い。


触れる、悠の肌。



「志津・・・・・・」
『志津・・・・・・』


どくり、と心臓が跳ねた。




あぁ、この声は。



「ゆっくりでいいんだよ、今すぐに思い出さなくても、大丈夫」


私の様子に違和感を感じた悠は、私の頭を撫でた。



「愛してる、志津」
『愛してるよ・・・・・・・・・・』


「悠・・・・・・・・っ、」


頭のすぐそこまできてるのに、まだ、悠が誰なのかを、思い出せない。




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