I
「あの・・・・・・・他の子達は・・・・?」
「あぁ、今は丁度お昼寝時間だから!いいでしょ、この時間だけが静かなのよ」
おばさんは笑顔で答えた。
「志津ちゃんも懐かしいでしょ?もう何年経つのかしらね・・・・・」
「・・・・・・はい、・・・・・・」
罪悪感が、私を蝕む。
本当はこんな孤児院、知らない。
「今の里親さんはどうなの?優しくしてくれてる?」
どきりとした。
あぁ、そうだ。
私には、何故“親”と言う存在が居ないのだろう。
「あ、あぁ・・・・とても私に良くしてくれてます。幸せですよ」
とりあえず、顔にお得意の作り笑いを浮かべて、その場凌ぎ。