I



「あ、そろそろお昼寝時間が終わるわ。じゃあ、私はいつでも待ってるから、また来なさい!今度は園の子たちが居る時に来てね!」

「あ、はい。また来ます。ありがとうございました」



おばさんが笑顔で見送ってくれる。

それに応えながら、私は園から出た。


生暖かい風が吹き抜ける。

私は考えに浸った。



私に、何があったんだ・・・・・・・・・?



愛し合ってたはずの“悠”と、正体不明の“親”。


私は、何でそんな重要なことを忘れたの・・・・?



自分の過去が、思い出せない。

自分が何者だったのかも、分からない。



「・・・・・・・っ、悠・・・・・・・」


頭が痛くなった。

私は咄嗟に走り出す。




< 31 / 54 >

この作品をシェア

pagetop