I
窓の外はもう真っ暗で、私がどれだけ寝てたのかも分かった。
「どんな夢・・・・・・?」
「赤、なの・・・・・・。赤が、舞うように広がるの・・・・・。怖い、夢・・・・・」
ぎゅ、と悠は力強く抱きしめ返してくれた。
「それが、正しい志津の過去だよ」
「え・・・・・・・・・?」
悠を見ると、悠はやぱり哀しげに笑っていた。
「ゆう・・・・・・・・・・?」
「志津、もう時間が無いんだ。はやく、はやく俺を思い出して・・・・・」
「悠、」
悠が私の頭を抱える。
悠の心臓の音が聞こえた。
「時間が、ないの・・・・・・・・?」
「早く、早く思い出さないと、不安で一杯になるんだ」
悠の心臓の音は早かった。