I



悠は、この間とは別人じゃないか、と言うくらい、激しく私を抱いた。


悠が、“本当の悠”を見せてくれてるみたいで、どこか嬉しかった。




「あ・・・・・・・・・・・・・」


悠の黒髪が、顔にかかる。


確か、前にもこんな事があった。



快楽の渦。


感触も分からないくらい、くらくらしてる体。



そうだ、そうだ。



悠は、私の彼氏、だったんだ。


ふと、頭にそんな言葉が過ぎった。



「・・・・・・・ん・・・・・・・」

「志津、・・・・・・・・・・・」



目尻から、溜まった涙が零れた。


あぁ、そうだ。




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