I
そして、四年が経った。
私が、高校三年生。
突然、悠は現れた。
『志津・・・・・・・・』
スーツを着て、車から降りてくる悠は、もう、私が知ってる“悠”じゃなかった。
悠は立派な会社に勤めていた。
『何で、こんな傷が・・・・・』
私の顔をみて、まず悠はそう呟いた。
『許せ、ない・・・・・!四年間、ずっと?!』
悠は、優しい。
私の心配をしてくれる人物が、ここに、居るんだ。
私はそれだけで嬉しかった。
『志津、逃げよう・・・・・』
悠が零した言葉を忘れない。
全てを投げ捨てようとしたときに、私は親に見つかった。