I
「悠、ごめんね、私のせいで・・・・」
悠を抱きしめながら、私は泣いていた。
「だって、お父さんたちを・・・・っ!!」
「うん、殺したんだ。きっと、もう死体が見つかってるはずだよ。俺は、行かなくちゃ」
悠は、優しく笑って、私を離した。
「ねぇ、志津。
俺は、このまま志津の記憶が戻らないで、志津の中から“俺”が消えたまま逝くのは嫌だった。だから、わざわざ目の前に現れたんだ」
悠は、淡々と服を着た。
「・・・・・・逝く、って・・・・・・」
にこり、と悠は笑った。
「志津、ずっと愛してる」
悠は私にキスをして、台所へ消えた。