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「どこもかしこも俺の話題で持ちきりだよ。もうそろそろ、俺の居場所も突き止められるんじゃないかな」
「悠は悪くない・・・・・・!!」
「このまま捕まったら、死刑囚にはなるよ。でもね、俺が嫌なのは、志津にこれから迷惑をかけることだ。
警察の事情徴収も、俺の親からの圧力も、全部志津に向けられる。だから」
悠は、ざらりと睡眠薬を手に取った。
テレビが消されて、沈黙が流れた。
「まさか、自殺、・・・・・・・・」
「志津、志津は部屋から出てって。きっと、疑われるから」
悠は私に服を着せると、無理やり部屋から出そうとする。
今まで私にそんな乱暴なところを見せた事が無い、悠。
私はその睡眠薬の瓶を掴んだ。