I


「・・・・志津?志津!」

「え、あぁ・・・・・、ごめんなさい」


顔を上げた。

友人が不思議そうな顔でこちらを見ている。



「やっぱり今日の志津、ヘンだよ。連休明けだから疲れてるの?今日はもう休んだ方がいいと思うよ!」

「そう、かしら?」

「だって、いつもより、ぼーっとしてることが多いもん!」


友人が心配そうな顔で私を見つめてくる。

心臓が音を立てた。



「そ、そうね・・・・じゃあ、私はこっちだから。また明日」


友人の視線を逸らす。

人と目が合うのは、得意じゃない。

自分が責められてる感じがして、どうも苦手なのだ。



「うん!ばいばい!気をつけてねー!」


交差点で、友人が笑って手を振っていた。

それに笑顔で応える。



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