I


「あぁ、いや、ごめん。あそこの学校は美人しか居ない、って聞いたことがあるから、つい、ね」


ぱ、と腕を離された。


その人から目が離せない。



「もし良かったら、一緒にお茶でもどう?誘ってるつもりだよ、」


その人は、哀しげに笑う。

私は自分が知らないうちに、首を縦に振っていた。



冷たい手が私の手を握る。


何故だろう、

私は頭の中で疑問が生まれた。



この人とは、初対面じゃない気がする・・・・・・、そう思った。



近くで野良猫が鳴いた。





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