片想い~Love song for you~
side -aki-



俺は弥生に文化祭委員の仕事を
手伝ってもらうために
職員室に向かっていた。


弥生はすぐ面倒臭いとか
言うからな。
色んな事に興味が
なさすぎなんだ。

好きなことには一生懸命だけど。

ま、俺は弥生にメイド服を着せられればいいや。



そんな事を考えている内に
先生から文化祭の企画書を
もらって、
G組の教室に向かった。


教室の前まで来ると
あいつ、
ちゃんと待ってんのかなと
心配になった。

そして教室に入ろうと
足を踏み出した時だ。




俺の耳には
綺麗で、そして天使のような声が聞こえた。
まるで歌声に惹き付けられる錯覚に陥ってしまう。
言葉では表せない。


その歌声は弥生だった。


弥生は自覚してないが、
鎖骨下まで伸びた、
綺麗なストレートで
サラサラした髪と
奥二重のつぶらな瞳、
真っ白な肌と
美少女だ。

天使のような歌声の彼女は
茜色に染まる教室の中で
瞳を閉じて歌っていた。

俺はこいつに長い片想い中。
こんな弥生を見たら、
絶対惚れるだろ。


お前はいつになったら
振り向いてくれる?

他の奴なんて見るなよ。



俺は弥生が歌い終わっても
その場を動けなかった…




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